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ESSAYエッセイ

「楽」をしたい

2025年03月03日

「今後のご活躍をお祈りします。」
就活生なら誰もが心をえぐられるこの一文が、私は嫌いじゃなかった。

人生は結局運だと思う。
どんな家に生まれるか、どんな学校に行くか、どんな人と友達になるか、どんな会社に入るか、どんな所に住むか。
何か一つ道が違っていれば、同じ人生になっていたとは限らない。
小学生のころ人気者だったあの子も、今幸せな人生を送っているとは限らないし、好きだったあの人も、今何をしているかなんて知らない。
挫折も成功も才能なんて関係なく、努力をいくら積み重ねても、一匙の運ですべては崩れ去るものなのだと、そう思い始めたのは大学3年生の秋のことだ。

それに気が付いてから、肩の荷が下りたようにすべてが楽になった気がする。
「自分の人生は自分で決めろ。」「努力は必ず報われる。」
そんなの、すべての選択が自己責任のようで、そして成功するまでの努力を求められているようで、私には重すぎたのだ。

私は自由が好きだし、可能な限り楽をしたいし、楽しいことだけしていたい。
ほとんどの人がそうだと思う。
成功はしたい、でも、成功を義務付けられながら生きるのなんて息が詰まる。
だから、運で決まる人生の方が私は好きだ。

逃げたいときは逃げてもいいと思う。
今後の活躍をお祈りされるのも、結局は運なのだ。
気にしている暇があったら美味しいものを食べて、きれいなものを見て、楽しいことをする方がいい。
むしろ、「ただの学生の今後を祈ってくれてどうもありがとう!」くらいに流しておこう。

いつだって、運のいい人は楽しそうに生きている。
何も気にせず、美味しいご飯を食べて「幸せー!」と言っている人の方が、人生を謳歌しているのである。
運がいいから楽しそうなのではない。
きっと、「今」を一番楽しんだ人が運を味方にするのだろう。

人生は結局運なのだ。
落ち込んでいる暇があったら、すべてを楽しんで、「楽」しながら生きる。
人生は「楽」したもの勝ちなのである。

ここまで「楽」をすることを前面に推してきたが、最後に自戒の意も含めて一言。
「『楽』をするための努力は怠らないように。」
なんだかんだで、運を掴むためには努力も大事なのである。
義務感に苛まれることなく努力できる者、そして「楽」を制する者が、運を味方につける者なのだ。

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